藁床で作った琉球畳(全て国産品) [畳・縁無畳の知識]
旧浦和市の某お寺。
インターネットがご縁で、琉球畳を作らせていただくことになりました。この頃、縁の無い「縁無畳」の頻度は増えてきたのですが、琉球表で作ることが少なかったので、久々で気合が入りました。
大抵は、普通のイ草で織られた目積表で縁無畳を作るので、琉球表のあの独特の香りを嗅げることに喜びを感じますね。私のこだわりで、琉球表は大分県産の七島イを使った国産青表しか使用しません。中国産もあります。この中国産は国産の琉球表より草が揃っていて質が硬めで、見た目がいいのです。国産はイ切れ(イ草が途中で切れてピョンと飛び出ること、髪の毛でも白髪が飛び出るあのような感じ)が多く、草の色がマチマチで色むらがあり、正直、中国産と比較するといけません。でも、草は非常に柔らかくしなやかで、香りがとても良く、ここで寝そべったら スッゴク気持ちいいのだろうと思います。
琉球表です。
今回、入荷した琉球畳は色むらが少なく、イ切れも少ない良いものでした。普通の畳表とどれだけ違うか判りますか?判らない方、自身の無い方の為にこんな写真を撮りました。
上が琉球表。下が普通の畳表=「備後表」です。正確に言うと備後織りの畳表、でしょうね。
右手のヒゲをみると、草の一本一本が違います。「備後表」はピンとまっすぐしているのに対して、琉球表のヒゲはあちこちの方向に向いています。また、草の太さ、表の山の高さや形状など違いが判ります。
それから、琉球表と「備後表」のしなやかさを比べてみました。
まずは普通の畳表「備後表」くんの登場です。
なかなか、反りましたね。今日はいつもより頑張っています(?!)
次に琉球表くん。琉球表くんは空中で反らしてみたら曲がりすぎてしまったので握ってみました。
握っている腕の近くから、すでに曲がりはじめ、「反る」という表現を越しています。これはもう「ヨガ」の上達者のようです。
このしなやかさは耐久性に必要な条件の一つです。しなやかな草というのは、言い換えると粘りがあります。イ草は草の中でも粘りがあります。硬い草はパキパキと折れてしまうので表面の草の層が毛羽立ちます。そう、洋服につく「アレ」です。
今回のお客様は、某お寺のご自宅。お伺いしましたら、藁でできた昔からある畳床で作られた琉球畳が敷いてありました。
色々あって、畳を床から全部入替えることになりました。
縁無畳は、予算や工事期間・仕上りなどを考慮し、最近はボードで出来た畳床を使用して縁無畳を作ることがほとんどです。ですが、今回のお客様は、藁床独特のクッション性や給水性を愛していて、是非とも藁床で琉球畳を作って欲しいと頼まれました。
畳屋として、嬉しいです。なかなか体験できない仕事ですから。
少し、寸法が強めになりましたが、キレイに敷き込むことができました。
その節はありがとうございました。
琉球畳!いまだにいい香りがしますよ。
お昼寝には最高です。
いい仕事してますね~(古いかなぁ?)
by よしだ (2007-07-28 21:48)
ありがとう。
先日はお疲れ様。土曜日は2人してしんどそうに働きました。
それから、まさかの火事でしたね。あんなに近くであって驚かれたと思います。
by 森田商店やすくん・まあちゃん (2007-07-29 13:00)