乳白色のカラー畳 [畳・縁無畳の知識]
場所は豊洲とかお台場近くの臨海地区。
20階近くの部屋で、とても絶景でした。
お正月明けに、採寸作業を兼ねて、現地にてお打ち合わせをさせていただきました。
お客様のご希望は、淡い色の縁無畳。
ダイケンの清流では『乳白色』と『白茶色』の二色がその範疇に当て嵌まります。
とりあえずA4サイズくらいの現物サンプルを全色、2枚以上持参して色選びをしていただきました。
サンプルを2枚以上持っていくには理由があります。
それは、畳を縦・横に互い違いに敷く 『市松敷き』に敷いた場合のイメージを掴んでいただく為です。
2枚以上あれば、縦・横にサンプルを並べられるため、どれだけ縦と横で濃淡が出るか一目瞭然だからです。
サンプルを実際に和室に並べ、吟味していただいた結果・・・・・
『乳白色』
をお選びくださいました。
清流では一番明るい色です。
【施工前】
うっかり、既存の畳を下げてしまってからの撮影になってしまいました。
畳を下げてから、簡単に床板の清掃を済ませて・・・
陽射しが眩しい時間帯の撮影でしたので、なかなか『乳白色』の白さと、市松模様がちょっと見た目でわかりにくいかと思いますが、非常に和室が明るくなりました。
また、壁紙が白いため、『和・洋室』として、素敵な空間になりました。
この空間ならぱ、ある程度の洋風テイストのファブリックを置いても、マッチするねと思いました。
当社の brand-new!! カラー畳 [畳・縁無畳の知識]
今回のラインナップは
○新色(白茶色)のカラー畳を使ったお部屋
○2色のカラー畳を使ったお部屋
の2パターンです。
白茶色のカラー畳
武蔵浦和にお住まいのお客様からのご依頼でした。
武蔵浦和駅前にある高層マンション『ラムズタワー』に行きました。
とっても高いマンション・・・・・地下の駐車場から入場するエレベーターが上手く見つからない
右往左往しながら建物の中を、軽くウォーキングしてしちゃったです。
お客様は「黄金色」と発売したばかりの「白茶色」のどちらかで悩まれていましたので、
私の方で、カラー畳の全色の現物サンプルをお持ちして、お決めいただきました。
「白茶色」
施工前です。
とてもご協力的なお客様で、入れ替えの時は家財を全て移動してくださいました。
感謝いたしております。
施工後
色のイメージとしては、『ダンボールの色より若干淡く、少しだけくすんでするような』色です。
明るくなり、とても清潔感のある和室になりました。
色気からも洋風な家具などのファニチャーを置いても気になりません。
リビングの隣でも、フローリングとマッチングします。
ご覧の皆さんはどのようなご感想でしょうか?
2色使ったカラー畳
9月に入り、白岡町のお客様からのご依頼で、現場へ参りました。
新白岡駅から間もないところにある、とても大きなマンションです。
このマンションは敷地が大きく、初めて行く私は、エントランスからグルンと回ったため、5~6分近く敷地を歩きました。
なんて事はない・・・建物のほぼ端っこで、端っこの所帯のためのエレベーターがメインのエントランスとは別に設置されていました。
どうしても要領良くマンションを歩けない私です。
さて、カラー畳を2色使ったのですが、その2色とは
『亜麻色』
『黄金色』
(上の写真は別のお客様のお部屋です。それぞれの色のイメージとしてご覧ください。)
この2色を使っての縁無畳・カラー畳。
とっても『秋らしい』色合いです。
施工前
施工後
まるで、『栗』のような感じがしませんか?
亜麻色が栗の皮で、黄金色が栗の実。
小さなお子様がいらっしゃるので、多少汚れても目立ちにくいですよね
単色を市松敷きで楽しむか、
2色の畳表を使って楽しむか、
同じチェック柄を楽しむのでも、楽しみ方一つで、お部屋の表情も変わります。
今週の大一番はこれでした。 [畳・縁無畳の知識]
今年の正月、七草前の1/3にFAXがピロピロ~と流れてきました。送り主はいつもお世話になっていますモンテローザさん。
毎年クリスマスイヴに忘年会をします。
今年は、名誉店長・赤井英和さんもみえました。
今度は、その去年の大忘年会の会場になった「月の宴 新宿総本店」の畳をきれいにして欲しいというご依頼でした。
大忘年会のため訪れた大神社長様が「畳が汚い」という鶴の一声で、メンテナンス依頼が入りました。
過去、色々な月の宴の店舗に行きました。全ての店舗、「縁無畳」です。
正方形を縦横に互い違いに敷く「市松敷き」で敷かれている、おしゃれな畳です。
だいたい、多くて60枚。
平均で30~40枚。
京橋店の時は2枚だけだったり。
色々ありますわな。
でも、この新宿総本店の畳の数は半端ではありませんでした。
数えると まともな四角形が
入り口に27枚
囲炉裏に 6枚×11ブース=66枚
大囲炉裏に 15枚
計 108枚
基本的にモンテローザさんの全ての店舗は年中無休なので、営業時間外の作業のため、普段は全て(畳床と畳表)新品に交換してしまうんです。
そのほうが、表替えより時間が早いので。
表替えとは畳表(ゴザ)を、一度持ち帰り、既存の畳表を剥がして新しい畳表に交換して、再度出来上がりを敷きに行くので、新規交換と比較すると、1往復分の移動時間と張変え時間が余分にかかり、一日でこなす枚数が限定されてしまうのです。
しかし、あまりに枚数が多いので全部の畳を新規交換にすると予算が掛かる。
畳はある程度しっかりしていたので、私の方から1部の畳を除き、表替えを提案しました。
1月半ばから今までひたすら、表替え用の畳表を折りました。
そして、新規の畳も作りました。
ようやく今日、ゴール間近まできましたよ
新規の縁無畳です。
でも・・・
手こずっている畳があるんです。
それは、畳屋さんも初めて、びっくりの超ほそ~い畳が11枚。
棒 では ありません。 畳です
幅 6センチ~10センチ。(普通は78センチ)
丈 96センチ。(同上)
とっても、のっぽさんの畳です。
普通のと比べると、ご覧の通りです。
これって
畳
作るの、大変なんっすけど
難しいです。
どんな所に敷くのか興味がでましたか?
矢印の先を よ~く見てください。
分かりましたか?
入替え 及び 張替えの施工日は2/11日と12日の2日間でした。
初日は祝日の明け方だったため、朝5時というのに若い人を中心にたくさんの人で溢れていました。
あ~、こんな頃あったかな・・・と思ったりして。
昼間の方が閑散としているような感じがします。
看板中央に今回施工した「月の宴」が見えます。
施工前
↓
施工後
のっぽ畳も無事入替えられました。
仕事は無事に終えました。
よかったです。
津田沼の飲み屋さんの畳をきれいにしました。 [畳・縁無畳の知識]
この頃、とても忙しくなかなかこの仕事に手をつけられない状態が続きまして・・・。
そろそろ終わらせないと、依頼主からお叱りをうけるのではと、多少の焦りもありました。
お仕事のご依頼をいただいたとき、必ず一度、現場調査に行くんです。
初めて津田沼駅を下車して、有名な駅であることは知っていたのですが、若者が多くお店も結構多い。
「あ~、都市だな~」と感動しました。
店舗に入ると、玄関の上がり口が畳でした。
畳の枠(フレーム)は四角形であると楽なんですけど、そうではないと測るのも作るのも大変なんです。
店舗の場合は四角形の部屋の可能性が少なく、変形のフレームが多いのです。
「期待はしてないけれど、やっぱりな」と
思うような変形した畳の枠(フレーム)!
後日、寸法を採りに来ました。
以前にアメ横で似たような変形を体験しているので、
前ほどはアタフタはしましせんでした。
ただ、採寸が思いのほか順調すぎて、今日まで「採寸時、何か勘違いしていないか。」とか「作り間違えはないかな」と
不安が結構ありました。
しかし、今日、バッチリ入りました。
とても上手く敷くことができて、一安心です。早起きした甲斐がありましたね。
これは施工前。
ねっ、キレイでしょ。
別の角度から施工前
体験・経験ってモノをいいますね。
一度でも、大変な思いをして作ると
その経験が必ず生かされる。不思議です。
黒墨の和室 [畳・縁無畳の知識]
ここにきて、めっきり冷えてきていますね。この時期は年末にむけて稼ぎ時。忙しくないと悲しい時期になります。このネットでも仕事の受注をいただくことがあります。
と、先日インターネットで仕事をいただきました。内容は・・・
黒い色した畳表で 縁無畳(一般の方々が理解している琉球畳も縁無畳の仲間)。
イグサで織られているように 和紙を通常の織り方で、できた品物。この頃お客さまの方が情報を入手する速度が速いのでは・・・というくらい、速い。もちろん、わたしは知識として知っていましたが、こんなに早いタイミングで黒い畳に携われるなんて、ラッキーかな・・。
実際に品物を入手して、いつもの手順で畳表を折り曲げます。よし、やるぞ。
この写真は畳とは関係ありません・・
折ってみると・・・
いつもより 硬いじゃーん!
縁無畳は、畳表(の通常、縁が付いているところ)を指や握力で こなして こなして 折り曲げていくんだけど、いつもより硬い。ああ、指が痛くなってくる。ちょっとでも気を抜けば、こりゃ失敗作になってしまうな。
思っていたより大苦戦。
でも上手にできましたよ。
ほらね!
黒墨の畳 って
みなさん、どう感じますか?
結構、和室が引き締まって、好きな人にはいいのでは?これで室内の小物・ファブリックを置けば、結構いいんじゃないのでしょうか。
黒と言っても真っ黒じゃないしね。
居酒屋さんの縁無畳 [畳・縁無畳の知識]
先日、居酒屋チェーン店本社のメンテナンス担当者の方から、久しぶりの電話。
たいてい、大手の居酒屋は、設計士やデザイナーが入っていて、特に玄関ホール辺りは凝っていることが多い。とくに斜めのライン。例えば、玄関の土間や上がり框も直角か並行のラインになることが多いんだけれど、奥往きを見せるためなのか至るところに斜めのラインを用いる。この頃気づいたこと。だから畳屋さんは製作時大変なことが多いんだ。
「アメ横にある畳をキレイにして欲しい」という依頼。アメ横ね。車が入らない所じゃな。
一旦、見積りに行かなければならないので、電車で御徒町まで。ああ、懐かしい。20代前半に畳の学校に通学した以来だ。松坂屋の地下二階「赤坂飯店」によくご飯食べに行ったっけな。毎週来るので、そこのおばちゃんとオーナーに良くしてもらったな。皇族のタバコをいただいたり、みんなで学校あるのに酒盛りしちゃったり。そんな思いを馳せながら歩く街。今はだいぶ中国や韓国の人たちがショッピングする姿を多く見るようになっている。以前にテレビで見たことがあるけれど、本当に多いんだな。 現場のお店に入店すると、やっぱり斜めラインがたくさんある。
ねっ斜めのラインが多いでしょ。
この写真は、今まであった畳を撤去したときの写真。丁度、アルファベットのWの形をした玄関。しばらく座り込んで考えちゃった。どうやって寸法を測ろうかな。アイデアでるかな。むーん。まっいいや、まずは見積もりだ。
見積りが成立すると、時間がないのですぐに採寸。 畳は現場で直接合わせることが出来ないので、この採寸がある意味「いのち」になる。失敗すれば命取り。 朝、重ーい採寸道具をもって電車に乗り、9時に採寸開始。昼食はもちろん、ほぼ休むことなく測って 測って 測って・・・ 終わったら12:30を過ぎていた。「ふっー、3時間半か・・・」。まだ、囲炉裏席があるんだ。これからこのお店が開店準備する15:00までに終わらせないと。それから、休むことなく囲炉裏席。お店の外からバッグの安売りの掛け声、スポーツ用品店さんの掛け声、最初は気になったりしたけれど、もうフラフラで気にもならないや。終わったら15:30。6時間半座りっぱなしで参ったね。
帰宅してから、さあ、畳の製作開始。
作りにくい。むーっ。難しい。
と、いう訳で約4日間で作った変わった形の縁無畳の皆さんを紹介しまーす。先ずはエントリー№1番。台形君とカドが欠けている君。
台形君のピンとした鋭角が力強い。ガド欠け君の斜めもチラッと見えています。
次にエントリー№2番。チビ台形君とアゴしゃくれ君です。
アゴしゃくれ君は作るの手間取りました。チビ台形君はスマートなフォルムでかっこいいですね。
そして、最後になりました。エントリー№3番。ツノ君と直角2個君です。
このコンビはなかなかの強敵。ツノ君のツノはいつでも折れやすそう。直角2個君は作るのに一時間以上掛かった力作です。
てな訳で、出来上がった部屋はこんな感じ。ジャーン。
ツノ君がどこにいるか分かりますか?
ピッタリに作ることが出来れば、敷くときはあっちゅうま。ここに辿り着くまでのプロセスが大変なんだよね
早朝のアメ横には人はほぼいません。あの賑わいがウソのよう。
ここが現場の前。
朝5:00に出発して、30分で到着。敷き終わりは7:00。あと2時間もすれば、アメ横のお店の前に沢山の品物が並べられ車は通行不可になっちゃう。失敗なんてしたら最悪です。無事に終わって良かった良かった。
ついでに囲炉裏席も上手にできました。
お疲れ様でした。
藁床で作った琉球畳(全て国産品) [畳・縁無畳の知識]
旧浦和市の某お寺。
インターネットがご縁で、琉球畳を作らせていただくことになりました。この頃、縁の無い「縁無畳」の頻度は増えてきたのですが、琉球表で作ることが少なかったので、久々で気合が入りました。
大抵は、普通のイ草で織られた目積表で縁無畳を作るので、琉球表のあの独特の香りを嗅げることに喜びを感じますね。私のこだわりで、琉球表は大分県産の七島イを使った国産青表しか使用しません。中国産もあります。この中国産は国産の琉球表より草が揃っていて質が硬めで、見た目がいいのです。国産はイ切れ(イ草が途中で切れてピョンと飛び出ること、髪の毛でも白髪が飛び出るあのような感じ)が多く、草の色がマチマチで色むらがあり、正直、中国産と比較するといけません。でも、草は非常に柔らかくしなやかで、香りがとても良く、ここで寝そべったら スッゴク気持ちいいのだろうと思います。
琉球表です。
今回、入荷した琉球畳は色むらが少なく、イ切れも少ない良いものでした。普通の畳表とどれだけ違うか判りますか?判らない方、自身の無い方の為にこんな写真を撮りました。
上が琉球表。下が普通の畳表=「備後表」です。正確に言うと備後織りの畳表、でしょうね。
右手のヒゲをみると、草の一本一本が違います。「備後表」はピンとまっすぐしているのに対して、琉球表のヒゲはあちこちの方向に向いています。また、草の太さ、表の山の高さや形状など違いが判ります。
それから、琉球表と「備後表」のしなやかさを比べてみました。
まずは普通の畳表「備後表」くんの登場です。
なかなか、反りましたね。今日はいつもより頑張っています(?!)
次に琉球表くん。琉球表くんは空中で反らしてみたら曲がりすぎてしまったので握ってみました。
握っている腕の近くから、すでに曲がりはじめ、「反る」という表現を越しています。これはもう「ヨガ」の上達者のようです。
このしなやかさは耐久性に必要な条件の一つです。しなやかな草というのは、言い換えると粘りがあります。イ草は草の中でも粘りがあります。硬い草はパキパキと折れてしまうので表面の草の層が毛羽立ちます。そう、洋服につく「アレ」です。
今回のお客様は、某お寺のご自宅。お伺いしましたら、藁でできた昔からある畳床で作られた琉球畳が敷いてありました。
色々あって、畳を床から全部入替えることになりました。
縁無畳は、予算や工事期間・仕上りなどを考慮し、最近はボードで出来た畳床を使用して縁無畳を作ることがほとんどです。ですが、今回のお客様は、藁床独特のクッション性や給水性を愛していて、是非とも藁床で琉球畳を作って欲しいと頼まれました。
畳屋として、嬉しいです。なかなか体験できない仕事ですから。
少し、寸法が強めになりましたが、キレイに敷き込むことができました。
ジュンジュンの「こんな●○です。」 [畳・縁無畳の知識]
ジュンジュンの「縁無畳って、こんな手順です。」
ジュンジュンです。
今日は縁無畳の作り方を教えまーす。手ぬぐい巻いてアッセアッセ !
まず、使用する畳表は、今回は国産ブランド「曙表」。
とてもしなやかで、折りやすそうなイグサです。縁無畳は左手のヒゲの部分に沿って折り曲げます。
「曙表」のラベルです。
折り曲げる部分(表裏)に霧を吹きます。一度では足りないので草が水気を吸うまで霧を吹きます。
湿らせた箇所にアイロンをスチームでかけます。ジューッと音がします。これでイグサが柔らかくなります。
アイロンの熱が冷めないうちに、包丁で折り目をつけます。冷めてしまうとせっかく柔らかくしたのが、硬くなってしまうからです。間違っても畳表を切らないようにするのがコツです。
今のところ、45度くらいの角度です。
それを手でしごいて・・・
最後は金槌で折り目をつけます。包丁でつけた折り目からずれないように叩きます。
今度は90度に折り曲がりました。これを二辺折ったら・・・
裁断した畳床に、先ほど折った畳表を・・・
乗せて、後は縫って出来上がり!
before
↓
after 大変身でーす